トップへ戻る

偽文士日碌

八月十九日(火):39-40

 泥棒の一件は、その後の調べで伸輔の家のご近所二軒を加え三軒同
時に入られていたことが判明。目撃者の話では、警備員の格好をして
車に乗った二人組だったとのこと。あちこちから見舞いのメールやコ
メントを頂戴し、恐縮至極。尚、十一日に見舞いのコメントをくださ
ったやっしーさんは「iPS細胞」の著者八代嘉美さんです。この八
代氏は近く「ビーバップ・ハイヒール」に登場していただくことにな
ったので、関西方面のかたはお楽しみに。
 読者へのご返事のため、朝日ネットがコメント欄へ書き込みやすく
してくれているのだが、何しろその後も書評や著者との対談などのた
めに読まねばならぬ本が山積みであり、日碌を書くだけでせいいっぱ
いなのだ。お許し願いたい。
 さて今日は谷崎潤一郎賞の選考会である。ながいこと池上永一「シ
ャングリ・ラ」と格闘していたため、谷崎賞候補作の内容を忘れてし
まっているので。あわてて全部をざっと読み返す。桐野夏生の「東京
島」を推すことに決め、迎えの車でパレスホテルへ。会議場にはすで
に川上弘美が来ていたので、先日の北沢タウンホールの朗読会へ来て
くれた礼などを述べていると、池澤夏樹、井上ひさしが到着、選考会
が始まる。まず新任の中央公論新社・浅海社長が挨拶。この人は就任
時にわが家へ挨拶に来られたので驚いたのだが、どうやら昔「中央公
論」編集長の滝田樗陰が、これぞと思う新人作家の家へ人力車で乗り
ページ番号: 39 40

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。