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偽文士日碌

九月三日(水):51-52

 福田総理が突然の辞任だが、野党の連中みな言うことが同じ。投げ
出しだの無責任だのと言うばかりで、自分たちが辞任に追い込んだの
だと言って喜ぶやつがひとりもいないのはどういうわけだ。ひとりく
らいわれわれの努力が実を結んだと威張るやつがいてもいいのではな
いか。まさかいじめたことで罪悪感を抱いているわけでもあるまい。
そう言えば公明党の議員が「福田さん、傷ついたのかなあ」と反省し
ていたのが面白かった。
 さて今日はわが家に珍客。芥川賞を取ったばかりの楊逸さんが、マ
ネージャー兼付き人の文藝春秋・信田君を従えてやってきた。「中央
公論」誌での対談であり、中央公論新社・並木君も一緒である。並木
君は今月の「中央公論」を校了にしたばかりで、福田総理の辞任にが
っくりしていた。急遽二ページばかりの記事を入れたらしいが、なる
ほど雑誌をやっていると、そういうこともあるのだろうなあ。
 楊さんは土産に直径十センチほどもある群林堂の豆大福をなんと二
十個も持ってきた。並木君も同じものを貰って驚いていた。こんなも
の、社に持って帰っても誰も食べないだろうと思っていたようだが、
あとで聞くと女子社員たち大喜びで、奪いあいだったらしい。人気商
品で、店先にはずらりと行列ができるのだとか。
 いつも楊さんについている信田君が言うところでは、楊さん今日は
いつになく緊張していて、パワーも普段の二割くらいだったとか。そ
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