トップへ戻る

偽文士日碌

二月十日(水):1319-1320

 伸輔の画集が出来てきた。手の込んだ造本ですばらしい。われを忘
れて見入ってしまう。ラストの伸輔のあとがきは感動ものである。彼
の残した文章は数少ないので、極めて貴重だ。
 筒井伸輔特別展示は二月十二日から十八日まで、ミヅマアートギャ
ラリーにて。ただし密を避けるため時間予約制になる。傷ついた絵が
あると、智子さんが行って補修しているらしい。何しろ武蔵野美大の
頃からずっと一緒にいた子だ。蜜蝋のことをよく知っているし、適任
であろう。いい嫁を貰ったものである。われわれ夫婦が何日に行くか
は未定。
 最新短篇集「ジャックポット」も出来てきた。表紙には伸輔の絵が
たくさん使われていて圧巻。外国映画のタイトルみたいで光子も大喜
び。新潮社装幀室に感謝、感謝。
 松浦寿輝との往復書簡、最後の第三信を書いて楠瀬啓之に発送。こ
れはどうやら「官邸前」という掌篇が掲載される「波」三月号に一挙
掲載となる模様である。
 森さんは賢明だなあ。本心ではオリンピック中止に傾いていて、自
分からそんなことは言えないので、世論が自分を排斥し、ボランティ
アがいなくなり、中止になるよう仕向けたのであろうか。なんと頭の
いい人であろう。
ページ番号: 1319 1320

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。