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偽文士日碌

八月二十三日(土):43-44

 あっ。なんでアキバなんかでサイン会をするのだ。ナイフを持った
やつが襲ってきたらどうするつもりだ。警備は大丈夫なのか。おれは
もう歳だからとてものいぢさんを護れないぞ。せいぜいペン先を目玉
に突き刺してやるくらいのことだが、それとて相手が眼鏡をかけてい
れば効果はない。どうすればいいのだ。
 などと心配していたのだが、サイン会は無事終了。やれやれ。
 一時に太田君が迎えにきてくれて、ハイヤーでアキバの金魚茶屋と
いう萌え喫茶へ。あの事件のあった交差点も通った。ああいやだいや
だ。
 いとうのいぢはもう到着していて、控室でお化粧していた。コーヒ
ーをいただいたあと、さっそく記者会見。太田君によれば、こんな和
気藹藹とした記者会見も珍しいとのこと。皆よく笑ってくれ、質問も
いい。ただしカメラマンの「もう少しにっこり笑ってください」には
いつもながら閉口。なぜ作家が意味もなくにっこり笑わねばならんの
だ。今後は写真撮影の時の条件として禁句にしてやろう。笑わせよう
とすれば被写体に要求せず、カメラマン自身が何か面白いことを言え
ばいいのである。
 この写真撮影にはビアンカのコスプレで可愛子ちゃんが加わる。こ
の子はテレビや芝居にも出ているタレントさんだが、この萌え喫茶で
アルバイトしていて、ママの人望でそんなタレントさんが何人かアル
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